はじめての四川料理
八角 四川料理特有の香辛料 四川料理のレシピ 中華のお供「紹興酒」

八角(はっかく)

スターアニスと呼ばれる八角(はっかく)は、中華料理に欠かせない香辛料の一つですが、山椒、花椒、唐辛子とともに四川料理に無くてはならないスパイスです。八角(中国語でbajiaoと呼びます)は、アニスに似ているのでスターアニスと呼ばれていますが、中国の北方地方では「大料(中国語でdaliao)」とも呼ばれています。中国北方の市場では「八角」より「大料」のほうが通じるかも知れません。


八角の香り

八角は中国独有の木ですが、実の形が歯車のようになっているので香辛料の中でも大変珍しいものとされています。八角は形だけではなく、その独特の香りでも有名です。八角の香りは非常に強く調味料はもちろんのこと、香料としてもよく使われています。八角の香りが苦手な人とその香りがたまらないぐらい好きな人と両極端に分かれることがあります。日本料理では使わない香辛料なので、八角を見たことも使ったこともない日本人もいるかも知れません。

八角の効能

八角は、食欲増進、精神安定、虫除け、胃を丈夫にし、消化を助ける効能があります。また八角を食べると母乳がよく出るとのことで、産後八角を料理などに使ったらいいですよ。八角の香りは石鹸、化粧品、歯磨き粉、お菓子などの製造にも使われています。八角は工業や医薬など幅広い範囲で使われていて、その産業価値は非常に高いです。日本では今までは使用頻度がそれほど高くなかったので、調味料を専門に扱っているお店にしかありませんでしたが、四川料理が大変人気である今日では、スーパーにも置いてあります。

八角レシピ

八角が体に良いことは分かりますが、どんな料理に使いますか? と質問する人が多いです。八角は中華料理に使うことはご承知のようですが、どの中華料理にも合うわけではありません。八角は香りが非常に強いので、使い方を間違えば料理全体を「台無し」にしてしまう恐れがあります。中国の人は、普段から八角を使用しているのでどんな料理に使えば良いか幼い頃から自然に覚えることができます。しかし、我々日本人にとってこれは非常に難しいことです。日本人おなじみの、ご家庭でもよく作る、八角を使う中華料理レシピは、「豚の角煮」です。

八角の故郷

中国で八角の産量が多いところは、雲南省の「富寧県」です。富寧県の八角の年産量は153キログラム、八角油の年産量は20万キログラム以上で「八角の故郷」と呼ばれています。富寧県は、150年前に中国の広西から八角の木を運んだ以来県全体で八角作りに励んできました。
富寧県の八角の質は、中国で連続数年トップです。富寧県の八角は、中国国内だけではなく東南アジア、中東などの50ヶ国に輸出されています。

八角の質

中国の人は八角をいろんな中華料理に使います。八角の使用頻度が非常に高いので、中国の人は八角の質にも大変「うるさい」です。中国の通常市場で八角を買うことが多いです。市場で八角を買う最も大きな理由は、「裸」で売っているからです。中国の主婦たちは「八角は目で見て、手で触って、香りを確認してから買うもの」と言っています。この言葉で、八角が中国の人にとっていかに大事な香辛料であるかよく分かります。スーパーでももちろん八角を売っていますが、包装されているので中身(質)が確認できないので、よほど急ぎの時でなければスーパーでは買いません。

中国人の八角へのこだわり

「八角は乾燥しているので長持ちするに違い」と思っている方が多いかも知れません。
しかし、八角は「木の実」なので生きているものです。いつまでもどこでも保存できるものではありません。中国の人が市場で八角を買う理由の一つは、「使う分だけを買いたい」からです。新鮮な八角は良い香りと味がでるので、おいしい料理を作り出す条件になります。
八角は高温高湿を避け、空気に触れないように密封した状態で保存したほうがいいです。