はじめての四川料理
花椒 四川料理特有の香辛料 四川料理のレシピ 中華のお供「紹興酒」

花椒(オワジャオ)

花椒(オワジャオ)は日本の一般家庭ではあまり使われていますが、中国ではごく普通に使われている香辛料です。花椒は中華料理には絶対なくてはならないスパイスとして、中国のどの家庭にも必ず用意してある調味料です。花椒は中国語でhuajiaoと発音して、味のほうは日本の山椒に非常に似ています。とはいっても、山椒とはまったく違う中国独有の香辛料と言ってもいいです。四川料理の代表とも言われるマーボー豆腐の「麻」は、実は花椒の「役目」です。唐辛子の辛味と花椒の舌がしびれるほどの「麻ma」の感覚は、麻婆豆腐のおいしさを生み出す重要な条件です。


花椒の効能

花椒は調味料に使われているほか、精神安定、消炎鎮痛、血圧を下げ、消化を助ける医療効果があるので、中国では古くから漢方薬に使われていました。花椒は麻酔にきく成分が含まれているので、中国では昔大量な花椒を用いて局部麻酔に使うこともあったそうです。花椒はまたホルモンのバランスを整え、皮膚表面のばい菌を抑制する効果があります。花椒の「ばい菌の繁殖を押さえる効能」は科学的なデータはまだ出ていませんが、食中毒の防止につながるかも知れません。

花椒粉

花椒を粉にした調味料を「花椒粉huajiaofen」と言います。中国の人は花椒も花椒粉もよく使いますが、中華料理の達人は花椒粉より花椒そのものを使います。つぶつぶの花椒を加工した「花椒粉」は、手軽に使う意味ではいいですが、味と香りは花椒に劣ります。花椒粉に塩を入れると「花椒塩」になります。花椒は実から葉まで捨てるものがなく、調味料から香料まで様々な分野で使うことができます。花椒の実、葉からは香料に使われる成分を取り出すこともできるので、その経済効果は非常に高いです。花椒の葉から作った香油には、15種の化学物質も含まれているそうです。

花椒を計りで買う?

中国の市場で調味料売り場を見たことがありますか? 花椒、八角、唐辛子、山椒など中華料理に使う香辛料が見事に並べてあります。
しかも全ての香辛料が「丸裸」で山積になって売られています。中国の人は花椒をいろんな料理に使うので、使う量は半端ではありません。量りで花椒を買ってきたら密封した容器に入れて保存します。

四川料理と花椒

中国では花椒と言えば、「四川花椒」が最も有名です。四川料理の味の決め手は、花椒と言っても過言ではありません。湿気が入った花椒、時間が経った花椒は料理を駄目にしてしまうので、中国の料理人たちは花椒の使用に非常に気を使います。高温高湿を避け、香りが飛ばないよう密封した容器に入れるなど花椒の保存にも神経を使います。中華料理の達人たちは食材だけではなく、調味料までこだわります。このようなこだわりがあるからこそ、おいしい中華料理を生み出すことができるかも知れません。

花椒の意外な使い方

  1. 米、雑穀に虫が入った場合、ガーゼに20粒ぐらいの花椒を包み米袋に入れると虫が自分で出てきます。
  2. アリが出る台所に数十粒の花椒を置くと、アリが出なくなります。
  3. 食品の上に花椒を置くと、ハエがつきません。
  4. 歯が痛い時、花椒一粒を痛い歯に乗せしばらく噛むと痛みが自然に消えます。
  5. 天ぷらなどをする時、油が沸騰して大きな泡が出たら花椒を数粒入れると油の泡がたちまち消えます。

花椒レシピ

本格的な麻婆豆腐を作る上で欠かせないのは、花椒と唐辛子です。熱くなったフライパンに大さじ5杯のサラダ油を入れ、花椒と唐辛子を入れ焦がさないようによく炒めます。油が100度になった時点で花椒と唐辛子を入れるとすぐ焦げてしまうので、花椒と唐辛子を入れるタイミングが大事です。花椒と唐辛子の香りと色が出たら花椒と唐辛子をすくいます。花椒と唐辛子油は、麻婆豆腐に限らずあらゆる四川料理に使うことができます。